天草ライフキャンプの研修

山納銀之輔さんと産島のキャンプ場視察

5月12日(金)の午後から世界的なエコビレッジビルダーの山納銀之輔さん(石垣島在住)が天草の産島のキャンプ場と下田南の熊本学習支援センターを視察にこられました。
銀之輔さんによると天草は日本で最も素晴らしいエコアイランドの環境があり、銀之輔さんも天草に住みたいといわれるほどです。
産島では、未開拓の地にキャンプ場を作るためのご指摘を受けましたが、合間合間にお聴きする銀之輔さんのこれまでの経験が、ものすごくインパクトがありました。
今回は、熊本学習支援センターのスタッフの4名の皆さんも参加され、子供の教育にとってキャンプはとても素晴らしい学習の場となると話に盛り上がりました。

上の写真は、宮野河内の上平港から産島にわたる戦場の写真

上の写真は、産島神社前での挨拶と簡単な打ち合わせ

上の写真は、上平区橋本区長さんが産島の歴史についてお話していることろで、向う側に山納銀之輔銀之輔さんと森田さん(マネージャー)

上の写真は、産島に湧く泉に向かう途中で、道なき道を歩いてアドベンチャーのプチ体験をしている合間にの写真

小田床の熊本学習支援センターのミーティング

産島の後は、天草町下田南の通称小田床(こざとこ)に開校予定の熊本学習支援センターの視察でした。
ここでは、不登校の子供たちのために最適な教育環境を整えるため、廃校になった下田南小学校をどのように活用するかを、仙波センター長と、皆川校長先生に詳しくお話をお聞きしました。
銀之輔さんも石垣島で不登校や引きこもりの青年たちのキャンプをしておられ、無人島で自分たちで力を合わせないと生きていけないサバイバルな状況を作り、その中で参加者の人生観、生き方が一変して、たくましく生きていくようになる体験に一同聞き耳を立ててお話を伺いました。

上の写真は、後者の中央のホールで意見交換をしている様子

上の写真は、左側が山納銀之輔銀さん、右端が仙波センター長、その隣が皆川校長先生、間の女性は 、建築士でデザイナーのWest Mountainさん

上の写真は、参加者一同の記念写真

銀之輔さんの言葉からまとめ

天草は環境的にも最高のエコアイランドで、この美しい自然を大切に守りながら、天草の歴史文化、そして何よりも天草の人たちの温かい心をもってまちづくりに取り組むことが大切とのことでした。

今回銀之輔さんが参加者と意見交換をする中で、総研の会員の意識の高さに驚かれ、高い志を持った人たちがたくさん集まってお互いに協力して、天草の未来の発展のために尽力することの素晴らしさを実感しておられました。
そして、日本一の教育を目指す熊本学習支援センターが天草に生まれることで、皆川校長先生が「日は西から昇る」のメッセージが心に刺さりました。

総研と学習支援センターと協働で、これから天草と日本の明るい未来づくりを目指したいと思います。

下田南地区の老人クラブ会員の説明会

説明をする大谷建築士
話に聴き入る住民

空き家調査の説明会

3月14日に下田南コミニティセンターで、老人クラブの会員のみなさんのための空き家調査の説明会を開催しました。
総研の空き家調査は、単に空き家の状態を建築士が調査するだけでなく、老々世帯、独居老人の命の安全と暮らしの安心を守るため、社会福祉協議会と連携して命のバトンの普及と、天草郡市医師会と連携して、「わたしのノート」の普及啓発により子孫へ大切なことを遺すための啓発をしていきます。
まずは、老人クラブの会員の皆さんのお宅に戸別訪問して、さまざまな家の問題の悩みをお聴きして解決へとつなげたいと思います。
そのために、地区振興会と区会と民生委員と相談して取り組むことをお伝えしました。

天草市空き家対策連携会議を組織へ

熊日新聞記事

 すでに令和5年2月3日の記事で、天草市役所にて市議会総務政策委員会との意見交換を行ったことを掲載しましたが、その折に関係部署つなぐプロジェクト体制の整備を要望しました。
お陰様で、その意見が市議会で取り上げられて、この度「空き家対策連携会議」が組織されることとなりました。
 これによって、大きく天草市の空き家対策は前進すると思います。天草市では、記事にもあるように7012軒の空き家を確認していますが、そのほとんどは放置されたままで、所有者も家族も地域も悩んでいました。
 それは、1軒の空き家には、維持管理、利活用、解体、固定資産税、相続、仏壇など、多岐にわたる問題があるため、行政の一部署では対応できず、関係部署の連携が不可欠だったからです。
 今後、行政と民間の関係者が意見を出し合い、天草市の空き家対策に協調連携して取り組む下地ができたことは、有難いことです。

下田南地区の空き家調査

2月17日午後から、いよいよ本格的な下田南地区の空き家調査がはじまりました。
今回は、地区振興会長、副会長、区長、民生員と総研から建築士の大谷さんと石村さんがチームとなり、6軒を調査しました。

コミセンから調査へ向かう一行
現地で説明を受ける建築士
1件目の空き家
管理者に事情を尋ねる区長と民生委員と建築士
綿密に家屋の傷み具合を調査する建築士
調査を終えて記録写真撮影

今回の調査は、廃校となった下田南小学校跡を、来年度から熊本学習支援センターが利活用して、不登校やひきこもりの子供の学習支援をするために、教員や家族の居住する家を確保するために、空き家を利活用する目的がありました。

今後は、地域の老人クラブ会員向けの空き家調査の説明会と併せて、「命のバトン」(天草市社会福祉協議会事業)、「私のノート」(天草郡市医師会事業)の講座を設けて、老々世帯や、独居老人のみまもりも実施したいと思います。

プロの一級建築士が建物の傷み具合を調査して空き家の所有者・管理者に報告することで、今後の空き家の利活用、維持管理、解体の選択肢も明確になるため、将来の空き家を防ぐことにつながります。今後も、地域の人たちが主体となってまちづくりを進めて頂けるように総研としてもお手伝いをしたいと思います。

天草市議会総務政策委員会と意見交換会

天草市役所3階会議室

2月3日午後2時より天草市役所3階で、天草市議会総務政策委員会の要望により、意見交換会を実施しました。
委員長のご挨拶のあと、総務政策委員7名の自己紹介と総研の出席者の自己紹介を致しました。
出席者は以下の通りです。

天草市総務政策委員天草地域総研出席者
船部修議員(委員長)山口誠治(理事長)
五通俊作議員(副委員長)畑元正司(副理事長)
宮下幸一郎議員永田章一(理事)
濱洲大心議員梅川定喜(理事)
五嶋善彦議員後藤千恵(会員)
鯖江達朗議員花田智子(会員)
赤木史浩議員
天草市総務政策委員会と(一社)天草地域総研との意見交換会出席者

総研の取り組みを説明

最初に総研のこれまでの取り組みについて発表し、それに対して委員からの質問を受けました。

この場で発表した総研の取り組みについては、こちらをご覧ください。

委員の質問の中で、五嶋善彦議員から天草市の空き家の中で、利活用できる物件が4,000軒ほどあるが、総研としてはそれらをどのように対処していくかという質問がでました。
まず、山口理事長から空き家の対策には3つの方法があることを説明しました。1つは、現状のまま維持管理すること、次に解体すること、さらに利活用することです。
大切なことは、どの方法であれ地域の人々が主体的に空き家問題に取り組むことで、総研としては、最初に建築士と共に地域の区長さんと民生委員さんと一緒に戸別訪問による空き家調査を実施し、その結果分かった空き家の現状を地域住民が話し合って対応することで、難しい問題が出てくるとその道の専門家に総研がつないで対応する体制であると説明しました。

空き家は、相続の問題が特に深刻で、現在の空き家だけではなく、将来の空き家になる可能性の高い高齢者世帯の所有者の意識調査を実施し、将来の空き家を未然に防ぐことが重要であることを強調し、その事例として、現在牛深町天附地区の事例を担当者の畑元副理事長から説明しました。

その他、いろいろな質問がでましたが、行政は縦軸、民間は横軸でお互いに補完しながら、空き家対策をしていくことで、空き家問題の解決が進むことで意見が一致しました。

庁内プロジェクト体制の早期整備の要望

最後に、総研の理事や会員から出てきた意見をまとめて、天草市が「庁内プロジェクト体制の整備」を早期に進めることを、強く要望しました。

これは、空き家問題は民間だけでは決して対応できない問題で、縦割りの行政で、空き家に関わる各部署が連携して取り組む「庁内プロジェクト体制の整備」が進んでいないことで、問題解決が遅延している現状を改善するための要望です。

令和元年11月に建築課が作成した「天草市空家等対策計画」のp,18に、以下の記述があります。

5 空家等対策の実施体制
(1)庁内推進体制の整備 空家問題は複合的な課題を包含しているため、関係部署が連携して空家対策 を推進することが重要です。建設部を中心に、地域政策課、総務課、防災危機 管理課、課税課、市民生活課、まちづくり支援課、各支所等から構成される庁内プロジェクトを設置し、情報を共有し、それぞれの取組みを推進します。な お、対策窓口の設置を行います。
(2)法定協議会の組織 空家対策の推進にあたり、法第七条に規定する「空家等対策協議会」を設置 し、基本的な方針や方向性、特定空家等の認定にあたっての判断、措置の内容 の検討等についての協議を行います。 なお、協議会においては、空家等対策を総合的かつ計画的に実施し、専門的 な見地からの協議を行う必要性があるため、法に例示されている者(市長のほ か、地域住民、市議会議員、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識 経験者等)の他、必要に応じて関連する専門家団体等で構成します
 令和元年11月「天草市空家等対策計画」のp,18

 

 上記の計画はいまから5年前に作られた大変重要な空き家対策の実施体制ですが、いまだに具体的な体制づくりができていません。
 この計画は、中村五木前市長時代に作成されたものですが、現在の馬場昭治市長宛に、(一社)天草地域総研が設立される半月前の令和3年6月17日に、山口代表から「空家対策の庁内プロジェクト体制の整備」の具体化を申し入れした経緯がありました。
 天草市で深刻化する空き家問題について、市民も行政の動きを注視しています。ぜひとも早期に「空家対策の庁内プロジェクト体制の整備」を具体化して頂き、行政と民間で協調連携して空き家対策を進めて頂きたいとたいと思います。

なお、「天草市空家等対策計画」の具体的な内容については、こちらでご覧になれます。

村田智仁氏講演「空き家対策の現状」

村田智仁氏(全国空き家対策推進協議会上天草支部事務局長)
総研の勉強会に集まった受講者

空き家が増えると周辺の地価が下落する

1月23日午前10時から、総研2階の会議室で、空き家対策の勉強会を開催しました。
今回は、全国空き家対策推進協議会上天草支部の村田智仁事務局長を講師として「空き家対策の現状」について講演を頂きました。
お話の中で特に印象に残ったのは、地域に空き家が増えると周辺の地価にも影響を与えるというお話しでした。
土地財産の所有者にとって、土地の評価額が下がることは辛いことです。その評価額は、自分で決められるものではなく、評価額を出すルールがあります。それは、以下の通りです。

土地評価額は「路線価×地積(㎡)」で算出しますが、接している道路の状況や土地の形状などによっては、定められた補正率で路線価を補正することがあります。補正率は、その土地の地区区分によって変わります。地区区分とは地域ごとに土地の利用状況に応じて国税局が指定するもので、次の7つに区分されます。

・ビル街地区
・高度商業地区
・繁華街地区
・普通商業・併用住宅地区
・普通住宅地区
・中小工場地区
・大工場地区

以上の7つの中で、「普通住宅地」の中で回りに空き家が多くなると、評価額はどんどん下がります。村田さんのお話では、知らない間に数年間で300万円も土地評価額が下がる例もあるということです。
もしも、金庫の中に1000万円の作束を入れていたとして、数年たって開けてみたら、いつの間にか700万円しか入っていなかったら、どうするでしょうか?
知らない間に300万円が消えていたとしたら青ざめてしまいます。つまり土地財産は、お金に換算するとこれとまったく同じことだというのです。

消えた300万円

空き家問題は、個人の問題ではなく周辺の地域にも影響を与えることを思うと、地域全体の問題として考える必要があります。

地域で取り組むとどんどん良くなる!

次に印象的だったのは、地域で空き家の利活用をする取り組みで、ボランティアで集まった人たちが、喜んで作業をしていたというお話しです。
この取り組みについては、今年1月20に熊日新聞に掲載されています。

村田さんが取り組んだ空き家対策(熊日新聞)

空き家の整備には、地域住民の理解と協力が大切ですが、村田さんが取り組んだ玉名市上小田地区では、日本マラソンランナーの父といわれる金栗四三の住家近くの古民家を「金栗四三ランニングステーション」として利活用する取り組みです。

そのために、地域住民にボランティアを呼びかけたら、瞬く間に30人ほどの人が集まり、通常数週間かかる清掃整備がわずか2時間で終了したというのです。
終わった後に笑顔満面の参加者から、「今度はいつやるのですか?」という質問が出るほど、楽しい雰囲気だったそうです。このことから、空き家対策は、地域づくり、住民の意識の高揚と活性化につながることを改めて感じたそうです。

その後質疑応答がありましたが参加者からも、積極的な質問が飛び交い、空き家対策はやはり住民主体で進めることが重要だと強く思いました。


特別講演「天草の幸せな未来図」

総研の2階会議室

MadeBoneJapanの信見茂社長の講演

12月10日10時より、総研の例会で、MadeBoneJapanの信見社長の特別講演「天草の幸せな未来図」をご講演頂きました。そばにいらっしゃののは、事務所の所属の由美かおるさんです。
現在総研が取り組んでいる、空き家対策と移住促進の活動に大いに賛同してくださり、天草の20年後の未来を世界一幸せな島にするために大切なことをお話頂きました。

総研の関連事業で「天草八十八ヶ所霊場巡りプロジェクト」にもご協力頂き、現在空き家を活用した地域おこしで8つの接待所づくりの活動にも協力して頂いています。

めいどサロン吉野屋

空き家を活用した取り組みとして、倉岳のめいどサロン吉野屋や、牛深のときわ屋などがありますが、今回は新たな接待所巡りづくりをしています。
来年4月から本格的にはじまります。

あまくさ暮らし体験ツアー2022(鶴地区)

11月11日(金)から13日(日)にかけて2泊3日の日程で、「あまくさ暮らし体験ツアー2022」を開催します。
これは、天草市から総研に委託された事業で、今回は、本町鶴地区を舞台に古民家のリフォーム体験をしていただく企画です。

11日16時から市役所にて歓迎セレモニー及び鶴での歓迎晩餐会、12日終日は本町鶴でリフォーム体験からバーべキュウ、13日9時から佐伊津の空家バンク登録空き家視察と解散式、宿泊は、鶴の民家にホームステイしていただきます。

基本的には本町鶴まちづくりの会で準備・実行しますが、総研でも記録等が必要ですので、お手伝い頂ける方はご連絡ください。また、移住希望者や地域住民との交流が重要ですので、晩餐会やバーべキュウなどの参加も大歓迎です。
お待ちしております。

【日程表】

ロングステイ天草4ユーチューブ

イルカ

2月に総研の研修の講師として訪れたロングステイアドバイザー協会の鈴木裕枝さんが、「ロングステイ天草Ver,4」のユーチューブ動画をアップしてくださいました。
天草の魅力の一つとして、他にはないイルカの生息地で、自然環境が豊かな島国を象徴するものです。
やはりみなさん驚かれますが、動画も美しく撮れていて、天草の魅力を伝えるには素敵な動画だと思います。
これから、イルカを生かした地域づくりにも尽力していきたいと思います。

ロングステイ天草4

ホームケア研修会出講

倉本剛先生が代表の特定非営利活動法人つなぐ主催の「第1回ホームケア研修会」(天草文化交流館)に「空き家は『社会問題』ではなく『社会資源』」というテーマを基に、(一社)天草地域総合研究所の代表として、山口誠治理事長と畑元正司副理事長が出講致しました。

ホームケア研修会
研修会の模様(手前は畑元正司副理事長)


総研が、これまで取り組んできた住民主体のまちづくりで特に一昨年5地区のモデル地区の空き家調査を実施した中で、本町鶴地区の活動を畑元さんの発表を中心にお聴きして、総研が目指す20年後の天草の未来づくりについてお話ししました。
この研修会は、リモート研修でもあり、60分の発表のあとは、いろんな方からの質問を頂きながら30分間は対話形式で、質疑応答をしました。
倉本先生が天草郡市医師会で進めている「わたしのノート」と総研が進める「おうちの手帳」は、独居老人や老々世帯の人たちを対象にして重なるところが多いため、総研の空き家調査では「わたしのノート」の啓発も同時に行っています。
横軸のネットワークは総研の得意とすることろで、縦軸の行政の活動と連携して、天草の人たちのまちづくりをどんどん支援していきたいと思います。
活発な意見効果がされましたが、倉本先生が最後に、「(総研の)このような活動が全国に広がることを願っています」と結ばれた言葉が印象的でした。

会場となった天草文化交流館